実録・税務調査ニュース(法人税・運送業③)

本日は、運送業の法人税調査の事案です。
東京都港区の運送業、株式会社Fは、外注費を水増し計上して、令和2年9月期までの5年間で、5000万円を脱税していたことが明らかになりました。
株式会社Fは、東京都内を中心に首都圏に5つの支店を置く、トラック運送業者で、資本金3000万円、年商10億円の同族会社です。
関係者によりますと、税務署は、株式会社Fの申告内容を分析した結果、
① 売上は連年、順調だが、売上総利益率が低いこと
② 外注費率に異常値が出ていたこと
③ 代表者からの借入金が年々増加していること、などから調査対象に選定し、税務調査に着手した模様です。
調査の結果、この会社は、代表者の老後資金を確保するため、下請け業者に依頼して、金額を水増しした請求書を作成させ、いったん、下請け業者の銀行口座に代金を振り込み、後日、水増し分を現金でバックさせるという手口で、外注費を水増しして計上し、令和2年9月期までの5年間で、5000万円の所得を脱税していたということです。
また、脱税した資金は、そのほとんどを代表者からの借入金として、会社に還流させ、プールしていたということです。
この会社に取材を申し込んだところ、「税務調査は受けたが、税務署の指導に従って正しく申告した」との回答でした。
「・・・脱税は、必ずバレます!!・・・」
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